今日は潤の雑誌の発売日。
昼休みに立ち食いそば屋でさっさと昼飯を終わらせ、本屋に立ち寄り、後で購入するけどどんな潤がいるのかとパラパラ捲って潤を確認した。
今月号もいろんな表情の潤がいる。
相変わらず…どんな潤もカッコよくてホント惚れ惚れしちゃう。
普段の潤とは違う…
雑誌の中では完全に男の潤。
やっぱり素敵で魅力的だった。
ま、俺は可愛い女子な潤が好きだけどねぇ。
ふふふふふ…
と、にやけながら立ち読みしていた。
そこに…
「あ!お疲れさまです。櫻井さん!」
と、声がかかった。
振り向くと二宮…
「あ…お疲れさま…」
「何見てるんですか?」
と、二宮は俺が見てる雑誌を覗いてきた。
「あーー!このモデル知ってます?」
「え⁈」
二宮は潤を指差した。
「このモデルね、JUNっていうんですけど、俺の友達なんですよ。
あ、友達といってももう何年も会ってないから今も友達か…と言われたらそうじゃないけど…
でもね、高校の同級生で、割と仲良しだったんですよぉ~
潤くんは俺のことカズってそう呼んでたんですよぉ~
櫻井さん、潤くんの雑誌見てにやけてどうしたんですか?
あ、もしかしてファンとか?」
「え…
は?べ、別にファンじゃねぇし。」
「あ!ですよね。
そうですよねぇ~
男には櫻井さん興味ないですもんね。
だって…俺が新人の時、飲みの席で俺がこのモデルが好きだと言ったら櫻井さん
は?お前男が好きなの?
って笑い飛ばしましたよね?」
「え⁉︎そうだっけ?」
「はい。
ま、櫻井さん酔っ払いでしたけどね。
じゃ、俺は先に行きますねぇ。」
二宮はその雑誌を一冊取ってレジへ向かった。
何⁈
俺は…そんなこと言っちゃったの?
全く覚えてない…
どうしよ…
あぁ…マズイ…
二宮に俺と潤が付き合ってるなんて知れてはいけない。
会社に戻っても何だかソワソワ落ち着かなかった。
早く潤にこのこと伝えなきゃ。
絶対に一緒のとこ見られないようにしなきゃいけないから絶対に会社には来るなと言わなきゃ。
あ、潤からメールだ。
『翔くんお疲れさま。
今ね、翔くんの会社のエントランスにいるよ。
早く終わったからビックリさせようと思って来たんだけど、偶然高校の友達に会ってご飯に行くことになったの。
ねぇ、翔くんにも紹介したいから一緒に来ない?』
は?
何で?
何で…よりによって潤は今日来てんだよ。
ガーーーン…
しかも…早速潤は二宮と会ったのか…
どうしよう…
『俺とは知り合いだということは絶対に隠しておいて。
バレると厄介だから。』
『え?そうなの?分かった。
あ!ホント友達だからね。
翔くん嫉妬しないでね!
んじゃ~』
何なんだだよぉ~
何で潤は会社になんて来るんだよ!
しかも何で二宮と飯行くことになってんだよ!
マジ、後でお仕置きだ!
とりあえず二人の様子が気になるからこっそり追いかけようと、急いで帰り支度をしてエントランスに向かった。
…が
もうそこには潤の姿はなかった。
仕方ないので帰ることにした。
俺は帰り道に本屋に行き、潤の表紙の雑誌を買い、潤の家に行った。
そして潤の家の冷凍庫に入ってるカレーを解凍して温めなおした。
潤…
あいつ誤魔化したりするのとか苦手だからなぁ…
大丈夫なのかな。
ちゃんと内緒にできんのかな…
二宮は色々鋭いし、勘がいいし…
マジ不安。
潤と付き合ってることは絶対に知られてはいけない。
覚えてなくてもそんなことを言ったことによって俺は二宮をバカにしたんだから。
ちゃんと俺は二宮にそのこと謝って…
それからちゃんと俺は潤のこと二宮に話さなきゃいけない。
俺は潤が二宮とどんな話をしているのか気が気じゃなかったが…
とりあえず潤の雑誌を見つめて心を落ち着かせ、潤のカレーを食べた。